(20日、サッカーJ1第11節 浦和レッズ3―1横浜F・マリノス)
スティーブ・ホーランド監督の解任から2日。横浜F・マリノスにとっては、厳しい再出発となった。
- 偏った選手起用で求心力低下 マリノスの監督解任、フロントの責任は
前半終了間際にFKから先制された。痛恨だったのが、後半開始早々の2失点目だ。
スローインをゴール前で受けたDF諏訪間幸成がキックミス。相手に詰められて、追加点を奪われた。
そこからは猛攻を仕掛けた。14分、MF山根陸のゴールで1点差に詰め寄った。しかし、後半43分に失点し、万事休す。
是が非でもほしかった勝ち点は0。3連敗で最下位に転落した。
ホーランド監督が解任された18日、主将のMF喜田拓也を中心に選手だけでミーティングを行った。
昨季のハリー・キューウェル氏に続く2年連続でのシーズン途中の解任劇。「選手も同じく大きな責任を感じないといけない」と喜田。自分たちに矢印を向けて、今何ができるか、互いに意見を出し合ったという。
暫定的に指揮を執ることになったパトリック・キスノーボ・ヘッドコーチが2日間の練習で求めたのは「強度」。戦術的に大きな変化を施す時間はない。1対1で負けないという基本の重要性を説いた。
追い詰められた後半は前線から積極的にプレスをかけ、球際での攻防で上回る場面もあった。だが、90分を通してみれば、選手の動き出しやパスのスピードが遅く、効果的に前へ球をつなぐことはできなかった。
キスノーボ・ヘッドコーチは試合後、「後半は誇りに思うプレーができた」と選手たちをたたえた。一方、前線で孤立気味だった2年連続得点王のFWアンデルソンロペスは「変わっていない。このままズルズルとやっていたら降格してしまう」と危機感をあらわにした。チーム全体が手応えを得られたとは言いがたい内容と結果だ。
これで7戦未勝利。チームはこの後、サウジアラビアに向かい、26日のアジア・チャンピオンズ・リーグ・エリート(ACLE)準々決勝アルナスル(サウジアラビア)戦に臨む。GK朴一圭は「どれだけ、自分、チームメート、クラブを信じられるか。落ち込んでいる暇はない。顔を上げて、前を向いて、一丸となってやりたい」。自らと仲間たちに言い聞かせるような言葉だった。